今回の記事ではF2転換の概要や運用のポイント、何故F2転換が重要になってくるのかのご紹介をしていきます。
-目次-
F2転換とは
顧客が2回目の購入を行うこと
F2転換とは書き直すと”Frequency”2転換であり、顧客が2回目の購入を行うことです。
つまり、1回目の購入であるF1の顧客を、F2(2回目の購入)に持っていくことです。
F2転換が重要な理由
新規顧客獲得コストの増加
では何故F2転換が重要なのでしょうか。
理由の1つ目は新規顧客の獲得コストが増加している点が挙げられます。
電通が発表した2021年の広告費の調査によると、インターネット広告費が初めてテレビ、新聞、雑誌、ラジオの広告費を上回りました。
インターネット広告の多くは入札形式のため、多額の広告費が流れ込むことで競合の多いキーワードによっては広告費が高騰し、CPAの悪化する可能性があります。
また、1:5の法則をご存知でしょうか。
この法則はBain & Companyのフレデリック・F・ライクヘルドが見出したと言われている法則であり、新規の顧客を獲得するにあたって必要となるコストは既存顧客の5倍のコストが必要になるというものです。
つまり既存顧客Aにもう1度商品を購入してもらうに当たって必要になったコストが100とすると、新規顧客Bに商品を購入して貰うコストは500になる、という法則です。
今後さらにインターネット広告費が高騰すると考えると、F1をF2に引き上げることがより重要になってくると考えられます。
継続率の向上
F2転換が重要な理由の2点目は継続率の向上になります。
1回目の購入から2回目の購入、2回目の購入から3回目の購入の継続率を比べると後者の継続率が前者の継続率よりも高く、この傾向はn回目の購入になるほど高くなると言われています。
一般的に言われている4回目購入における離脱率、継続率は以下のようになります。
初回購入 | 2回目購入 | 3回目購入 | 4回目購入 |
離脱率 | 70~80% | 60% | 40% |
継続率 | 30~20% | 40% | 60% |
上記のように3回目、4回目の購入では継続率が高くなり、顧客が定着していることが分かります。しかし2回目購入では7〜8割が離脱しており、初回購入から2回目購入に至る顧客の少なさが伺えます。
つまり2回目の購入、F2転換する顧客の数を増加させないと、その後定着する顧客の数も減少してしまいます。
そのためLTVの向上のためにも、まずF2転換する顧客の数を増加させる事が重要になってきます。
F2転換を起こすための施策
広告や商品説明と商品のギャップを減らす
では何故顧客は1回商品を購入したにもかかわらず、2回目の購入をためらってしまうのでしょうか。
その理由の1つ目が広告や商品説明と商品のギャップがあることです。
例えばAという健康食品があったとして、広告や商品説明には1ヶ月Aを食べた場合N㎏痩せると記載されているとします。
しかし、1ヶ月正しい使用法で続けたにもかかわらず全く痩せなかったとしたら使用者はどのように考えるでしょうか。
恐らく2回目の購入をすると考える人は稀なのではないでしょうか。
上記のように広告や商品説明と実際の商品のギャップが大きければ大きいほど2回目の購入に繋がる可能性が少なくなると考えられます。
そのため商品の効果や価値を誇大することなく、正確に魅力を顧客に伝える事がF2転換に重要な要素の1つになります。
購入前顧客体験の向上
F2転換を起こす2つ目の要素は購入前の顧客体験を向上させることです。
購入前の顧客体験を向上させることにより、ブランドロイヤリティの向上が見込まれ継続可能性が上昇します。
顧客体験の向上には様々な施策や種類がありますが、例えばECサイトでは購入のしやすさなどが購入前の顧客体験の向上に繋がります。
F2転換を狙う顧客はF1、初回購入をすでに行っている顧客になります。
では1回目の購入の際、記入項目が冗長であったり、顧客の望む支払い方法が存在しなかったらどうでしょうか(そもそもこの2つの課題は初回購入もためらわせるので改善は必須ですが)。
多くの場合、冗長な記入項目を再度記入することへの忌避感や望まない支払い方法の拒否感から再度購入することを拒否すると考えられます。
このような課題を解決するために記入項目の見直しや、会員登録を行うことで次回の記入を無くすもしくは減らす導線を設計することや、一般的な支払い方法の実装を行うことで購入ハードルが下がり2回目の購入に繋がります。
あくまで上記の例は顧客体験向上の1例であり、離脱率やレビューなど様々な観点を計測し、常に顧客体験を向上させる施策を打つ事が重要になります。
購入後のフォローを行う
次に重要な要素は購入後のフォローを行うことです。
購入後のフォローは顧客体験の向上に役立つ要素です。
購入後から商品が届き開封するまで、顧客には期待と不安の感情がうず巻いています。「期待通りの商品が届くだろうか」、「競合製品の方が良かったのではないか」など様々な事を考えます。
この時にメールでのフォローメールや、商品への期待感を上げるコンテンツの配信等を行うことにより、不安の解消や期待感の向上に役立ちます。
また商品の到着後も定期的なフォローメール、コンテンツの配信を行うことにより顧客の興味関心を維持すること、顧客とのコミュニケーションを適切に取り続けることがF2転換に役立ちます。
まとめ
今回はF2転換の重要性をご紹介してきました。
今後さらに新規顧客の獲得コストが増加する可能性も考えられるため、F2転換への注力をお勧めします。
この記事をシェア