-目次-
ステップ1 問題を定義する
問題とは?
問題とは、一言でいうと、あるべき姿と現実のギャップです。
例えば、あるべき姿として売上/年100億円とすると、仮に現状の売上が60億円/年であれば、そのギャップの40億円が『問題』となります。
また、あるべき姿として、クレーム0件/月とすると、仮に現状がクレーム5件/月であれば、そのギャップの5件/月が『問題』となります。
問題には発生型と設定型の2種類がある
発生型の問題とは、それが問題であることが誰の目から見ても明らかな問題であり、現状復帰を目指すタイプの問題で、たとえば以下が挙げられます。
- 赤字が出ている
- クレームが発生している
- 納期が遅れている
- 商品が最低品質をクリアしていない
これらは、あるべき姿はわざわざ立てるものではなく、しいて言うなればそれは現状であり、現状復帰を目指す性質の問題です。
一方、設定型の問題とは、あるべき姿に照らし合わせてはじめて分かるタイプの問題で、たとえば以下が挙げられます。
- 新規事業を生み出せていない
- 新規顧客開拓100件/年が達成できていない
- 顧客満足度90%を越せていない
これらは、あるべき姿に到達していないことを問題としているため、自らあるべき姿を設定しない限り発生しない問題です。
問題と課題の違い
では、似たような言葉としてよく利用される『問題』と『課題』の違いは何でしょうか?
『問題』があるべき姿と現状のギャップを指すのに対し、『課題』はその問題を解決するのに”クリアすべき項目”を指します。
たとえば、先程の例において、『問題』が売上40億円/年足りないことに対して、”受注を1.3倍に増やす”や”成約率を1.3倍引き上げる”が問題を解決するのにクリアすべき項目である『課題』にあたります。
課題と対策の違い
では、『課題』と『対策』の違いは何でしょうか?
『課題』が問題を解決するのにクリアすべき項目であるのに対し、『対策』はその課題をクリアするための取り組みを指します。
たとえば、先程の例において、”受注を1.3倍に増やす”という課題に対して、”新規拠点を設立し営業エリアを広げる”ことや、”成約率を1.3倍引き上げる”という課題に対して、”毎週1回全営業メンバーに営業ロールプレイングを実施する”が対策となります。
ただし、このように対策は必ずしも課題と一対になるとは限らず、1つの課題に対して複数の対策が必要であったり、または複数の課題に対して1つのみの対策で良い場合(課題を一網打尽にできるケース)もあります。
目標は『あるべき姿』という意味でも『課題』という意味でも用いられる
少し話が派生しますが、『目標』も問題解決において位置づけが曖昧になりやすいためここで整理しておきます。
『目標』とは目的に到達するためにクリアすべき指標を指します。目的は最終到達地点であるのに対し、目標は中間到達地点です。
目標は目的に到達するためにクリアすべき指標であることから、問題解決における位置づけとしては、あるべき姿を具体的な指標に置き換えたもの、あるいはあるべき姿に到達するための一つの要素として目標を設定する場合があります。
また、中間到達地点という意味では、問題を解決するのにクリアすべき項目である課題という意味でも用いられます。
まずは問題を定義する
では、問題解決において一番はじめに行うこととして問題を正しく定義するためには、どのようにすれば良いでしょうか。
あるべき姿と現状のギャップを洗い出す
問題とはあるべき姿と現状のギャップを指すため、そのギャップを洗い出すことがはじめのステップとなります。
このギャップは網羅性が重要となり、そのギャップを埋めることであるべき姿に到達できる必要かつ十分なものになっていること、漏れなくダブりがないものであることが求められます。
「As is /To be」というフレームワークはまさにあるべき姿と現状のギャップを整理するフレームワークです。
多面的かつ具体的に定義する
次に洗い出したギャップを多面的かつ具体的なものにします。
問題を“売上が昨年と比べて低下している”とした時に、その低下幅はどれぐらいなのか、いつといつを比べているのか、全社なのかある部門なのかどの範囲の売上を指しているのか、誰にとっての問題なのか、なぜそれが問題なのか、これらを明確に定義しなければ問題を関係者間で正しく共通認識することができません。
この多面的で具体的な問題に定義し直すために、「6W2H」というフレームワークが便利です。
「6W2H」
- Who 誰が
- Whom 誰に
- What 何を
- How どのように
- Why なぜ
- When いつ
- Where どこで
- How much いくら
この「問題を定義する」をきちんと行うことができないと、例え次のステップに進んでも「あれ?結局何が論点なんだっけ?」と迷いが生じてしまいます。
それを防ぐために、まずはきちんと問題を定義しましょう。
ステップ2 問題の所在(発生場所)を明らかにする
問題を定義したら、次のステップでは問題を切り分け、問題の所在(発生場所)を明らかにします。
ここではいきなり問題の原因を考えるのではなく、問題の所在を明らかにすることが重要なステップとなります。
というのも、次の「問題の原因を特定するフェーズ」に進んだ際、問題の原因は複数の複合的な要素に分かれる場合が多く(原因のヨコの広がり)、1つ1つの要素も結果に対しての重みが異なります。
また、原因の構成要素はさらに”その原因”、”さらにその原因”と、因果関係は時系列的かつ意味的に遡ることができてしまう(原因のタテの広がり)上、そこには推論が入るため因果関係を正確に補足することは多くの場合難しいためです。
そのように因果関係の補足に推論が数多く含まれると、何が事実で何が推論なのかを見失ったり、論点が散漫になったり、推論に推論を重ねた結果、そもそも何を解決したいのかゴールを見失ってしまうということがよく起こるからです。
このようなことにならないよう、まずは問題の所在(発生場所)を明らかにし、あらかじめ問題を絞り込んでおくことが必要となります。
例えるのであれば「体調が悪い」という問題がある時に、いきなり「昨日の食べすぎが原因かも」や「風邪を引いたかも」と原因を考えるのではなく、「のどが痛い」や「お腹が痛い」「頭痛がする」「関節痛がする」など、どこに問題が発生しているのかを先に特定した方が、その原因を特定しやすいということです。
問題を切り分ける
問題の所在を明らかにするには、問題を切り分ける必要があります。
例えば「2022年4月のX事業部の売上が昨年同月比で20%下がっている」という問題がある場合、商品別、商品カテゴリ別、担当者別、顧客別、エリア別、時間帯別、バリューチェーン上の要素別など、様々な切り口で切った際に明らかに問題(ここでは売上の低下)が固まって存在している場所がないかを確認します。
例えば、「商品別に見ても担当者別に見ても、割合の違いはあるものの一定以上の売上の低下率が見られ、どこに問題点が存在するのかは分からないままだが、バリューチェーン上の各要素の生産性で見ると物流の工程だけ明らかに生産性が落ちていることが分かった」ということがあります。
このバリューチェーン上の各要素の生産性という切り口で現状を分析することが問題を切り分けることで、明らかに物流の工程だけ生産性が落ちていることを発見することが問題の所在を明らかにすることです。適切な切り口で問題を切り分けることができれば、下記図のように切り分けたある部分に問題が固まって分布します。
うまく問題を分けるのに満たすべき3要素
また、うまく問題を切り分けるには3つの要件が存在します。
それは以下です。
- ディメンジョン(抽象水準)を揃える
- 切り口を設定する
- MECEに分ける
1,ディメンジョン(抽象水準)
ディメンジョンとは、物事を分けるレイヤーに相当するものです。
例えば、”動物”を分ける場合、まずは脊椎動物か無脊椎動物かに分けます。(ディメンジョン1)
その次に、脊椎動物の中では、恒温動物,変温動物に分けます。(ディメンジョン2)
さらに、魚類,両生類,爬虫類,鳥類,哺乳類に分けます。(ディメンジョン3)
無脊椎動物の中では有節動物,無節動物に分け、(ディメンジョン2)
さらに有節動物は節足動物,軟体動物,それ以外の動物に分けます。(ディメンジョン3)
さらに、節足動物の中では、甲殻類,昆虫類,クモ類,ムカデ類,ヤスデ類に分けます。(ディメンジョン4)
このように、分けるレイヤーのことをディメンジョン(抽象水準)と言い、同じディメンジョンで分けないと「魚類とクモ類と無脊椎動物」のように異なったレイヤーの項目を同列に扱ってしまう間違いを犯す可能性が出てきてしまいます。
2,切り口を設定する
切り口とは、どの観点で分けるかを指しています。
先程の”動物”を分ける場合では、ディメンジョン1で「脊椎の有無」、ディメンジョン2では「体温の変化」や「節の有無」、ディメンジョン3では「胎生か卵生か」や「呼吸方法」といった切り口で分けています。これらの分ける観点が切り口です。
3,MECEに分ける
MECEとは「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、日本語では「モレなく、ダブりなく」という意味です。
出典:「ビジネス+IT」MECEとはなにか? https://www.sbbit.jp/article/cont1/34833#head1
漏れがあっては当然問題の所在を見逃してしまうかもしれないですし、ダブりがあっては問題の所在が曖昧になってしまいます。
なので、このMECEに分けるということが問題の所在を明らかにする上で重要となります。
問題を正しく分けると足し算(もしくは表形式)になる
問題を正しく分けた場合、そのアウトプットは足し算もしくは表形式になることが多いです。
これは、同ディメンジョンでMECEに分けるということ自体が、要素を足し算可能な項に分けることであるためです。
上の図のように、問題を正しく分けた結果は、足し算もしくは表形式になることが多く、視覚的にも問題の所在が明らかになります。
ステップ3 問題点を絞り込む
問題の所在が明らかになれば、次は本当に解決するべき問題は何かを絞り込みます。
「2022年4月のX事業部の売上が昨年同月比で20%下がっている」という問題の例でいうと、
「バリューチェーン上の物流の工程の生産性が30%低下している」が絞り込んだ後の問題点となります。
この問題点は複数になることが多いため、論拠を以って優先順位をつける必要があります。
その問題点が問題である論拠を用意する/問題点に優先順位をつける
問題点を解決すべき論拠を用意し、問題点の優先順位をつけます。
「昨年同月比に比べ、物流工程の生産性が30%低下している」のであれば、問題点が問題である論拠はそのまま「昨年同月比で生産性が30%低下しているから」となりますが、仮に「昨年同月比に比べ、物流工程の生産性が3%低下している」のであれば、それは事業部の売上が昨年同月比で20%低下していることに繋がる問題である論拠としては薄いでしょう。
このように、論拠は“落ち込み幅”や”売上構成比率”,”シェアの低下率”,”市場成長率と自社成長率の差分”などの具体的な数字と照らし合わせて論拠となり得ます。
それらの論拠を以って、解決すべき順に問題点に優先順位をつけます。
例)優先順位1,「バリューチェーン上の物流の工程の生産性が30%低下している」
ステップ4 問題の原因を特定する
ステップ1で問題を定義し、ステップ2で問題の所在を明らかにし、ステップ3で問題点を絞り込み、はじめてその問題の原因を特定するステップ4に入ります。
ステップ2でもお伝えしましたが、いきなり問題の原因を考えると、問題の原因は複数の複合的な要素に分かれ(原因のヨコの広がり)、1つ1つの要素も結果に対しての重みが異なる上、原因の構成要素はさらに”その原因”,”さらにその原因”と因果関係は時系列的かつ意味的に遡ることができてしまいます(原因のタテの広がり)。
因果関係の補足に推論が数多く含まれた結果、何が事実かを見失ったり、論点が散漫になったり、推論に推論を重ねてしまい、何を解決したいのかゴールを見失ってしまうということがよく起こってしまいます。
いきなり問題の原因は何か考えたくなるところですが、このような事態を防ぐため、ステップ1〜3が存在します。
絞り込んだ問題点を構成要素に因数分解する
問題点の原因を特定するファーストステップは、その原因をなるべくMECEに切り分けることです。
まずは上記図のように、原因を構成する要素に分解し、可能な限り数字に落とし込み、構成要素の中でより原因としてインパクトの大きいものを見つけます。MECEに切り分ける理由は、原因の可能性を漏れなく考えるためです。MECEであればベストですが、可能性に漏れがないことが重要であるため、プロセス別や4Pなどのフレームワークで分けても構いません。
ただしこの際、どの構成要素がなぜ問題なのかをファクトベースで明確にしていく必要があります。ここをファクトベースで明確にせずに進めてしまうと、因果関係を適切に補足できず、次のステップである対策を立案する際に、根本原因に対して効果的でない対策を立ててしまう可能性があるからです。
因果構造を整理する
構成要素の中でより原因としてインパクトの大きいものをファクトベースで明らかにしたら、次はそのインパクトの大きな原因がもたらされたさらに原因は何か、またそのさらに原因となっているものは何か、というように原因を掘り下げていきます。
ここでは、因果構造を「因果構造図」や「因果ループ図」のような図示フレームワークを用いて整理すると便利です。
分解と深堀り
分解と深堀りは一見似ているように感じますが別物です。
問題を切り分けるフェーズでは、問題を分解しており、イメージとしては足し算の項に相当する要素に分解していました。(各項を足せば全体になる)
一方、原因を追求するフェーズでは、MECEは意識するものの、結果に対しての要因を洗い出しており、イメージとしては掛け算の因子に相当する要素を洗い出していました。(各項をかければ結果になる。MECEの形で因子を洗い出しているのが因数分解で、MECEを形を取る取らない関係なく因子を洗い出しているのが因果構造図であり因果ループ図)
このように、”項に分ける”のか、”因子を洗い出す”のかの違いが、分解と深堀りの違いです。
手を打つ場所を決める(根本原因に手を打てば良いとは限らない)
次に、原因として挙げた要素のうち、どこに手を打てば良いかを考えます。
原因として挙げているすべての要素に手を打つことができれば理想ですが、それは現実的ではありません。そこで、整理した因果構造を参考にしながら、「どこに手を打てば最も効率的かつ効果的に問題が解消されるか」を考えます。
また、なるべく根本的な原因となる、深いところに位置する原因に手を打ちたいと考えてしまいますが、多くの場合深すぎる原因は手を打つのが難しかったり、打てたとしても結果に現れるのに多くの時間を要したりすることがほとんどです。
そこで、手を打つ場所を検討する際は以下の点を考慮します。
問題解決の効果を高める
- 重みの大きい原因に手を打つ
- 全体に影響が出るように手を打つ(1つ解決すればその他多くの原因が解消される場所に手を打つ)
- 浅すぎず深すぎないところに手を打つ(効率的に対策を実行できそうなちょうど良い深さに位置する原因)
- 立場とリソースを考え、分担しながら手を打つ(自分の制限の範囲で対策を実行できる場所に位置する原因)
対策の実現性を高める
- 「単にやっていないだけの原因」に手を打つ
- 「原因の原因」がなるべく少ない要素に手を打つ(原因の原因が多いとできない原因が多数あるため手を打てないことが多い)
- 「時間が取れない」や「忙しすぎる」など環境のせいと考えてしまう要素は無視する
検討の効率を高める
- 悪循環を断ち切るように手を打つ
- いくつかの原因となる要素にまとめて手を打つ
ステップ5 あるべき姿を設定する
これまでのステップで、原因を特定し、手を打つ場所を特定したのちは、あるべき姿を設定します。あるべき姿の設定手順は以下です。
- あるべき姿の範囲を固定する
- 目的確認(Will)
- 内部環境分析(Can)
- 外部環境分析(Must)
- 目的を具体化する
- 誰が、何を、どうするのか
- 目標を指標化する
- いつまでに、どの指標が、どの程度か
あるべき姿の範囲を固定する
あるべき姿は未来の話なので何とでもで言えてしまい、議論しても収拾がつかず、設定に至らないことが多々あります。そこで、あるべき姿の設定にはまずその範囲を固定することが必要です。
範囲を固定するのに必要なのが、目的確認(Will)、内部環境分析(Can)、外部環境分析(Must)です。
内部分析や外部分析はフレームワークを用いると漏れなく効率良く行うことができます。
以下の記事を参考にしてみてください。
コンサルタントが知っておくべき分析・戦略フレームワーク10選 | アイガー株式会社
あるべき姿は内部環境に引っ張られると現実の延長になりがちで、逆に目的や外部環境に引っ張られると夢物語になってしまいます。よってそれらのバランスが重要です。
目的を具体化する
あるべき姿の範囲を固定したら、あるべき姿像を具体的に設定します。
目的の具体化 → 目標の設定 というステップで進めます。
ここでいう目的とは、目指すゴール像を指します。
一方、目標は”ゴールを果たすために達成するべき指標”を指します。
目的は、「誰が」「何を」「どうするか」という3つの観点で設定すると良いです。
目的の設定の3つの観点
- 誰が
- 何を
- どうするか
例)
誰が:経営企画部部長が
何を:今後10年注力する新サービスを
どうするのか:開発する。さらに売上構成比2割を占める。
目標を指標化する
次に、目標を設定します。
目標では、先程の目的に加え、「いつ」「どの指標が」「どの程度」という観点で設定します。
目標の設定の3つの観点
- いつ
- どの指標が
- どの程度
例)
いつ:2022年末まで
どの指標がどの程度:
年間予算がつくサービスを3件以上リリースする
いつ:2025年末まで
どの指標がどの程度:
新サービスの売上構成比を2割にする
ステップ6:課題を設定する
次に、課題を設定します。
『課題』とは問題を解決するのにクリアすべき項目のことを指します。
ここでは、前のステップで立てた目標をクリアするのに必要な取り組みが課題に該当します。
前述の例でいうと、例えば「年間予算がつくサービスを3件以上リリースする」ために以下が課題として挙げられます。
- 30件の新サービスの企画案出し
- 10件の新サービスの企画検討会議への申請
- 3件の新サービスとしての承認獲得
具体的に”取り組み”に設定するものが課題にあたります。
ステップ7:対策を立案する
対策の立案において、いきなり具体的な対策を考えると網羅性が不足したり、列挙した対策の粒度にばらつきが出て内容に重複が発生したり、課題を解決するのに不十分なものになってしまう可能性があります。
ブレストなどで思いつくままに対策を立案するのではなく、まずは課題〜対策を構造化するようにします。
この図のように、課題に対して、対策の方針を設定し、その方針に従った具体的な対策を網羅的に洗い出します。この際、対策の粒度がなるべく揃うように注意します。
構造化し、整理した対策は「課題を解決するものになっているか」「原因を取り除くのに効果的か」という観点から有効なものになっているか確認するようにしましょう。
また、すべての対策を実行することはできない場合がある上、リソースが限られていると複数の対策を同時に行うことも難しい場合が多いことから、対策には優先順位づけが必要です。
優先順位づけには、上記図のように、効果・コスト・実現性・時間の観点から評価を行います。
ステップ8:対策を実行する
ゴールと制約条件を明確にする
1つずつの対策にも「いつまでにどのような状態になっている必要があるか」というゴールが存在します。
また、予算や人員といったリソースも限られており、これらは対策を実行する上での制約条件となります。
このゴールと制約条件を予め明確にしておかないと、「対策を実行したは良いが再度まで完了させることができなかった」というオチになってしまいかねません。
このようなオチは多くの企業で頻繁に見られるので注意が必要です。
再度までやりきる
対策はあくまでも問題の原因を取り除くものであり、目的と目標を達成するためのものです。
なので、中途半端に対策を実行し”対策をやった感だけ得たが当初の問題は解決していない”という状態にならないよう、設定した対策は実行仕切ることが重要です。
対策の実行状況をモニタリングする
意外と漏れがちなのが対策のモニタリングです。
対策は実行スパンが長期に渡ることも多々あり、問題が発生し、原因を分析して対策を練った当初は関係者も熱が入り「今すぐ実行しよう!」という温度感になっていたとしても、いざ対策の実行フェーズになりしばらく経つとその熱も冷めてしまっていることが多々あります。
そうなると実行中の対策のモニタリングが不十分になり、気づけば中途半端な実行度合いになっていた、途中で頓挫してしまった、ということになりかねません(意外とこのようなことは多くの企業・組織で頻発します)。
そこで重要なのが対策のモニタリングです。
定期的に振り返るような仕組みを持ち、最後まで対策を完了させましょう。
ステップ9:振り返る
「対策の実行」をすれば、問題が完全に解決するとは限りません。
対策の実行をしても以下のような場合、問題は未解決のままです。
- 対策を実行しきれなかった
- 対策を実行したが、効果は足りなかった(or なかった)
- 環境変化により問題そのものが変わった
このようなケースは問題の難易度が高く、対策の時間軸が長い場合によく見られます。
そこで、問題解決のプロセス全体を振り返ることが必要になります。
このように、問題解決のプロセス全体を改めて整理し、プロセス上のどこにどんな問題が発生しているのかを定期的に振り返り、新たに発生した問題に対処していくことが必要です。
まとめ
以上が私が普段行っている問題解決の王道ステップです。
問題解決ではこのような泥臭いプロセスを粘り強く実行していくことが求められます。
裏を返せば、適切なプロセスを粘り強く実行すれば、大方の問題は解決できるということです。
弊社でも汎用的なビジネス力の育成を目的に、さらに問題解決のスキルを高めていきます。
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