今回はweb担当者になったら最低限押さえておきたいSEOの基礎知識をお伝えしたいと思います。
SEOはひらたく言うと狙ったキーワードで検索結果の上位に自社のwebサイトを表示させるための手法のことですが、そもそも自社サイトとライバルサイトの相対的な比較で順位が決まるものであるため、「この対策を実施したから確実にこのキーワードで上位に上がる」というものではありません。しかしながら、最低限の対策を行うだけでも検索数が少ないキーワードやライバルサイトが少ない(もしくは弱い)検索キーワードであれば上位表示を狙うことも十分可能です。一方最低限の対策を行わないと本来上位表示されるべき自社名や商品名での検索キーワードですら上位表示されないといった事態になる可能性もあるので、基本的な対策はしっかり行って頂ければと思います。
-目次-
SEOとはGoogle対策である
現在、Google以外で主流のキーワード検索サイトであるYahoo!Japan!ですが、2010年10月に検索エンジンのアルゴリズムを、それまでのBingからGoogleに移行をしました。
これにより国内の検索エンジンのアルゴリズムはほぼGoogleとなりました。
国内のキーワード検索サービス自体のシェアはGoogleが約70%,Yahoo!が約25%(2018年時点)ですが、Yahoo!の検索エンジンのアルゴリズムがGoogleとなった以上、SEOとはGoogleの検索エンジンに対する対策とほぼ同意義となりました。
Googleの検索エンジンの仕組み
では、Google検索エンジンへの対策を行う前に、Googleの検索エンジンの仕組みはどのようになっているのかを理解したいと思います。
Googleの検索エンジンは以下の3つのプロセスを経て検索結果を表示します。
- 1,webページをクロールして情報を取得する
- 2,取得した情報をインデックスする
- 3,検索ニーズに合致した検索結果を返す
Googleはクローラと呼ばれるソフトウェア(Googlebot)を用いて、インターネット上に存在するあらゆるwebページの情報を取得しています。
Googlebotは既知のURLのリストから情報を収集し、そのURL内になるハイパーリンクを辿ることで次に情報取得するページへとたどり着きます。
たどり着いたページでは、HTMLやテキスト、CSS、Javascript、画像などの情報を収集し、それらをGoogleのデータベースに登録していきます。このようにして取得した情報を、書籍の索引を作成するようにリスト化(インデックス)します。
ユーザーは検索キーワードを入力し、検索を行うわけですが、Googleは独自のアルゴリズムに基づき、その検索キーワードの意味や意図を解析し、それらの要求を満たすものをインデックスされたページ群から引き出し、ユーザーへ検索結果を返します。
Googleの理念を理解する
SEO対策を行うにあたり、最も重要なことはGoogleの検索エンジンに対する理念の理解です。
これまで様々な短期的なSEO対策手法が巷で実施されてきましたが、そのほとんどが度重なるGoogleのアルゴリズムのアップデートにより成果が上がらなくなりました。
Googleは検索エンジンに対する理念の実現に向けて、人工知能をはじめとするテクノロジーや人員に莫大な投資を行っています。その結果、ますますGoogleの検索エンジンはそれらが掲げる理念に近づいていくことが予想されることから、そもそもGoogleの検索エンジンが目指す理念自体を理解した上でSEO対策を行うことが重要となります。
その理念についてですが、Googleの共同創業者 Larry Page氏はGoogle検索のあるべき姿を以下のように述べています。
「完璧な検索エンジンとは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致する答えを返すものである」
出典:https://www.google.com/intl/ja/search/howsearchworks/responses/
また、「Googleの使命」として検索サービスの方針を以下のように定めています。
- 関連性と信頼性が最も高い情報を提供する
- 情報アクセスの機会を最大化する
- 情報を最もわかりやすい形式で提供する
- プライバシーを保護する
- Googleが販売するものは広告のみ
- コンテンツを生み出す人々の成功を後押しする
出典:https://www.google.com/intl/ja/search/howsearchworks/mission/
平たく言うと「ユーザーファーストの精神」ということになるかと思いますが、それぞれ項目について記載のURLに詳しく書いていますので一読いただき内容を理解することをおすすめします。
SEOにおけるGoogleの評価ポイント
Googleの理念を理解した上で、具体的にGoogleが評価するポイントについてお伝えします。実際にはGoogleは検索エンジンにおけるアルゴリズムを公開していませんが、過去のGoogleの発表内容から推測すると以下の要素を評価しています。
- コンテンツの有用性
- Googleにとってのページ内容の理解のしやすさ
- サイトの他者評価
コンテンツの有用性
コンテンツの有用性を判断する上で重要とされているのは「E-A-T」という指標です。
E-A-Tとは以下を指します。
・Expertise(専門性)
・Authoritativeness(権威性)
・Trustworthness(信頼性)
Expertise(専門性)
専門性はサイトのコンテンツが特定のトピックに特化しているかどうかで判断されます。
ファッションや食品など、特定のテーマに特化したサイトにする方がGoogleの評価する専門性は高くなります。
Authoritativeness(権威性)
権威性とは、誰がその情報を発信しているかを評価する指標です。
弁護士や医者など一定の社会的立場のある人が発信していると思われる情報は権威性が高いと判断されやすい傾向にあります。
Trustworthness(信頼性)
信頼性とは、ユーザーから見た情報の信憑性が高いかを評価する指標です。
サイト内にレビューや口コミがあると信頼性は高まりやすくなります。
このE-A-Tを高めることで、Googleから有用なコンテンツであるという評価を得やすくなります。
Googleにとってのページ内容の理解のしやすさ
いくら有用なコンテンツを提供していても、Googleがそれを認識できなければGoogleから評価されません。
Google検索エンジンは人間ではなくソフトウェアなので、ソフトウェアがページ内容を理解しやすいページにすることが重要となります。
具体的には以下を行います。
・タイトルタグやmetaタグに重要なキーワードを含める
・見出しや本文に重要なキーワードを使用する
・アンカーテキストでリンク先の情報を伝える
・なるべく文字情報はテキスト形式にする
他にも様々な取り組みが存在しますが、基本的なところとしてはこれらを押さえれば良いかと思います。
サイトの他者評価
Googleは第三者からの評価も重要視しています。
これはいわゆる「被リンク」と呼ばれるものの質と数が評価材料となっています。
・E-A-Tの高いサイトからリンクをたくさん得ている
・同様のテーマのサイトからよくリンクを得ている
・検索上位の人気サイトからよくリンクを得ている
このような状態であれば他者評価の高いサイトと言えます。
必ず対応すべきマイナス評価を回避する基礎項目
次に、Googleからのマイナス評価を受けないために必ず対応すべき項目をお伝えします。
- URLの正規化
- title/descriptionのユニーク化
- エラーの解決
- スパム対応
URLの正規化
URLの正規化とは同じ内容のページで複数のURLが存在する場合、それらを1つのURLに統合することを指します。
Googleは内容を模倣しているサイトにはペナリティーを課すことがあり、そのリスク回避のためにURLの正規化は必要です。
また、Googleのクローラーからすると、同じ内容のページの場合、個別のページとしてインデックスするために差異となる情報が見当たらないことから正しくインデックスしないことがあり、本来Googleにインデックスされてほしいページがされないといった事態になる可能性があります。
title/descriptionのユニーク化
titleとdescripitionは、Googleのクローラーからすると認識しやすいコンテンツの1つであり「コンテンツの要約情報」としてSEO上重要な役割を果たします。
Aに記載した内容とも共通する部分がありますが、titleとdescripitionがユニークでなく、使い回しをしていたり、重複していると、個別のコンテンツとしてクローラーが正しく認識しないことがあり、Googleから低評価を受ける原因になります。
エラーの解決
エラーには自社サイトのドメイン内で起きている内部エラーと、外部サイトへのリンク切れといった外部エラーの2つがあります。
内部エラーについては、Googleが無償で提供しているSearch Consoleというツールを使い、エラー箇所とその内容を一覧で確認することができます。
このSearch Console内で表示されたエラーは最低限解決しておきましょう。
外部サイトのリンク切れが発生している外部エラーについては、そのリンク自体を変更するか削除します。この外部サイトへのリンク切れは「W3Cリンクチェッカー」などの無料サービスを利用することで発見できます。
スパム対応
Googleはアルゴリズムが未成熟である点を突き、ユーザーにとっては不利益だがGoogle検索結果で上位表示を獲得できる「スパム行為」への対応を年々強化しています。
スパム行為とは無縁と思っていてもSEO対策を施す中で意図せずスパム行為に該当してしまっていたということも考えられます。
スパム行為の例としては以下です。
・価値の低いコンテンツを提供している
・クローラーを欺く行為を行っている
価値の低いコンテンツを提供している
例としては、コピーコンテンツ、ミラーサイトを作成している場合です。言わずもがなGoogleから低い評価を受けますので、たとえ1コンテンツであったとしてもコピーをしないように気をつけましょう。
また、SEO対策を目論んで、上位表示させたい検索キーワードを大量にページ内に埋め込むケースも価値の低いコンテンツとみなされます。ユーザーの可読性を下げるようなキーワードの大量出現は行わないようにしましょう。
クローラーを欺く行為を行っている
ユーザーから直接見えないHTML上の記述に、行き過ぎたSEO対策を施す場合もスパム認定されるため要注意です。
隠しテキストや隠しリンクと呼ばれる、例えば背景とテキストカラーを同じにして検索エンジンにだけわかるテキストを記載したり、テキストの上に画像を置くことでテキストを隠す行為はクローラーを欺く行為としてスパム認定される可能性が高いので行わないようにしましょう。
プラス評価をもたらすSEO内部対策
次は、意識的に取り組むことでGoogleの検索エンジン上の評価がプラスに働く項目についてお伝えします。
基本的な考え方は「ユーザーにも検索エンジンにも分かりやすいサイト構造を設計すること」です。
- ナビゲーションの設置
- パンくずリストの設置
- HTMLサイトマップ
- 内部リンクURLの統一
ナビゲーションの設置
ユーザーが必要なコンテンツを迷いなく見つけられるようにする機能がナビゲーションです。このナビゲーションはユーザーだけでなく、Googleの検索エンジンから見てもサイト全体のページ構成を把握できる重要な機能になるので、1ページもののページでない限りナビゲーションを設置しましょう。
パンくずリストの設置
パンくずリストとはナビゲーションの一種ですが、以下のようにページ階層上今どこに位置しているのかを把握できる機能のことです。
TOP > 洋菓子 > チョコレート > 商品A
パンくずリストは基本的に階層ごとにリンクが設置されているため、Googleのクローラーから見ると、サイト全体の階層構造を把握するヒントになるため、こちらも設置することが望ましいです。
HTMLサイトマップ
HTMLサイトマップとは、文字通りHTMLに記載するサイトマップのことで、ユーザーがサイト全体のページ構成を把握するために有効な機能です。
ナビゲーションはより明確にたどり着きたいページへたどり着きやすくするためのツールであるのに対し、サイトマップはサイトのページ構成の全体を把握することに重きが置かれている機能です。サイトマップもGoogleの検索エンジンからしてもサイト全体のページ構成を把握できる重要な機能になるので設置しておきましょう。
内部リンクURLの統一
Googleのクローラーは、webサイトのリンクを辿って各ページを認識します。その際に同一ページであったとしてもURLが異なる場合が存在します。その場合Googleのクローラーからすると別ページと認識してしまい、評価が分散することになってしまいます。これを防ぐために内部リンクのURLは統一をしましょう。
Googleにサイトを認識させるGooglebot制御
Googleのクローラーは一定のルールに沿って世界中のwebページを認識しインデックスしていますが、そのクローラーが認識する内容をある程度コントロールすることが可能です。
- robots.txtによるクロール制限
- XMLサイトマップによるインデックス促進<
- URl検査ツールによるクロール要求
robots.txtによるクロール制限
最も代表的なものはrobots.txtファイルでのクロール制限です。
robots.txtファイルとはクローラーにサイトのどの部分へのアクセスを許可するかを記したテキストファイルです。これにより読み込ませるべきでは無いページへのクロールを回避でき、より重要なページへのクロールを強化することで、SEO効果をもたらします。
XMLサイトマップによるインデックス促進
XMLサイトマップは、XML形式で記述されたサイトマップのことで、Googleのクローラーにとって理解しやすい形式のサイトマップとなります。
特に、新規追加したページがある場合や、更新したページがある場合は、XMLサイトマップを作成,設置することでよりスピーディーかつ正確にGoogleのクローラーに知らせることが可能です。
URl検査ツールによるクロール要求
URl検査ツールとは、Googleのクローラーに向けて、クロールをリクエストすることのできる機能です。
Google Search Consoleにログインし、「URL検査」というメニューから実施できます。
新規追加したページがある場合や、更新したページがある場合は、URL検査ツールを使いクロールをリクエストしましょう。
コンテンツSEO
最後の基本知識はコンテンツSEOです。
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に沿った良質なコンテンツを継続的に作成、掲載することにより検索結果上位を目指すSEO手法のことです。
基本的には、コンテンツ1つにつき1キーワードを定め、そのキーワードの検索意図に基づく疑問の解消や課題解決を行うコンテンツを作成,掲載することが重要となります。
まずは上位表示を狙いたいキーワードを洗い出し、そのキーワードで実際に検索を行い、すでに上位表示されているサイトのコンテンツを見比べた際、それらのコンテンツよりもよりユーザーの疑問の解消や課題解決になるコンテンツを作成するといった流れで進めていくと効果的です。
以上がweb担当者になったら知っておくべきSEO対策の基礎知識でした。
こちらで紹介した対策は基本的な項目になるので、未対応の項目がある場合は最低限押さえておくべき内容として実装しておきましょう。
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