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ECサイトにおけるCRMとは?概要とポイントを紹介

2022年5月17日

「売り上げを増やしたい」という思いは全てのECサイトの運営者がお持ちでしょう。

売り上げを増やすためにはリピート顧客を増やすことが効果的です。

リピート顧客を増やすためには顧客に合わせたマーケティング戦略が必要ですが、そのためには膨大な顧客情報を管理する必要があります。

CRMは顧客の情報を一元管理できるITツールです。本記事では、ECサイトにおけるCRMのメリットや使い方をご紹介します。

CRMとは?

CRMとは「Customer Relationship Management」の略で顧客管理と訳されます。顧客との関係を深めて売上を拡大するための考え方です。

顧客一人ひとりに合わせたアプローチを行うことで、リピーターになってもらう確率を上げ、顧客一人当たりの利益(LTV)を最大化することを目的としています。

CRMは広義では「顧客管理」というマネジメント手法、狭義では「顧客管理システム」という既存顧客をターゲットとしたツールです。以降本記事で紹介するCRMは後者の「顧客管理システム」を指します。

CRMは顧客のデータ(年齢、性別、居住地、購入頻度など)を集めることができます。その集めたデータを元に顧客を識別することで、一人ひとりの顧客に合わせた施策を実行できます。

MAとの違い

CRMとよく似た言葉にMA(Marketing Automation)があります。よく混同されがちなCRMとMAですが、これらには3つの明確な違いがあります。

対象ユーザーの違い

1つ目の違いは管理する顧客の違いです。MAは新規(=見込み)顧客が対象で、CRMは既存顧客を対象としています。

営業プロセスの違い

MA・CRMは営業プロセスにおける役割が異なります。営業プロセスは大きく分けて①リード(見込み顧客)の発掘・育成②セールス・商談③アフターフォローの3段階あります。各プロセスとMA・SFA・CRMの対応関係はそれぞれ以下のように整理できます。

①リード(見込み顧客)の発掘・育成→MA

②商談・セールス→SFA

③アフターフォロー→CRM

MAは営業プロセスの最初の段階であるリード(見込み顧客)の発掘・育成のためのツールです。その役割は獲得したリードを育成し、次のプロセスである商談・セールスに渡すことです。

それに対しMAの役割は商談・セールスによって獲得した顧客がアップセル・クロスセルに至れるように購入後のフォローを行うことにあります。

なぜCRMが重要なのか

ECサイトでも、CRMを使って既存顧客にリピート購入してもらい、売り上げを増やす取り組みが多く見られます。

ECサイトでCRMが活用される理由は単純明快で、新規顧客を獲得するよりも既存顧客にリピートしてもらう方がコストが安いからです。新規顧客を獲得するためには過程では、自社の商品に興味のない多くの人に対して広告を配信することになります。それに対し、既存顧客は自社製品に興味がある確率が高いため効果的にアプローチできます。既存顧客をリピーターに育てる方が費用対効果が高いのです。

ECサイトにおけるCRMとは?

ECサイトにおけるCRMの全体像

CRMはECサイトの顧客の購買プロセスにおける「リピート」を促進するためのツールです。

CRMを利用することで顧客の把握と識別ができるようになります。その識別した顧客一人ひとりに合わせたマーケティング活動を行うことで、顧客満足度とECサイト収益の双方を高めることができます。

保有機能

CRMには様々な機能がありますが、本記事ではその代表的な4機能をご紹介します。

データ一元管理機能

顧客データを保管することができます。顧客データは基本情報(会員登録時に入手できる性別や連絡先など)と行動データ(購買履歴やアクセス履歴など)があります。

CRMは権限が付与された人であれば、いつでも・どこでも保管したデータを閲覧・分析することができます。

顧客を識別する機能

CRMは顧客を識別する機能があります。顧客属性(年齢、性別、居住地、購入頻度など)で分類し、それぞれのセグメントに対し分析を行うことが可能です。識別することでどの顧客に対して施策を実行するのかというターゲティングが可能になります。

施策を実行する機能

ターゲティングした顧客に合わせた施策設定ができます。設定できる施策の種類としてはメルマガやDM、SMS、クーポン配信など様々あります。

効果検証機能

施策の効果検証ができます。例えば販促のためにクーポンを配信した結果、どのような顧客の購買に繋がったのかを検証できます。

CRMツールの例

CRMツールをご紹介します。CRMツールによって強みが異なるので自社の状況に合ったものを選ぶようにしましょう。

うちでのこ

月額料金:29,800円~

特徴:ECカート・基幹システム・POSデータなど、各システム間との連携機能が豊富。EC事業に必要な機能を網羅しています。

アクションリンク

月額料金:30,000円~

特徴:Eコマース特化。実装・運用が簡単で、最小限の工数で自由自在に自動化できます。

ecbeing

月額料金:50,000円

特徴:CRMとしても使えるECサイト作成ツール。国内の通販サイト構築のシェア50%を獲得している。これからECサイトを作成したり、リニューアルを検討している人にとってはお得なツールです。

ECサイトにおけるCRM活用のメリット

顧客情報の管理・共有がしやすい

CRMは顧客情報を一元管理でき、必要な情報をいつでも誰でも取り出すことができます。そのため複数の担当者や部署でECサイトを運営していたとしても、簡単に情報共有ができます。

顧客ニーズの把握がしやすい

CRMには顧客属性(年齢、性別、居住地、購入頻度など)でデータを抽出する機能があります。このデータを用いて同じ属性の顧客にはどのような商品が人気かなど詳細な分析が可能になり顧客ニーズの把握がしやすくなります。

より効果的なアプローチが可能

CRMの顧客を属性ごとに抽出する機能は、個々の顧客に合わせたアプローチを可能にします。女性に人気がある製品の連絡を女性にしたり、最近購入頻度が落ちた顧客に対して連絡頻度を上げるといった施策を実施しやすくなります。

ECサイトでのCRM活用方法

CRMの良さについて理解していただいたところで、CRMをどのように活用するのかということについて解説します。

顧客データのセグメンテーションとターゲティング

CRMに蓄積された顧客データからアプローチしたい顧客を決めます。具体的には顧客を属性(年齢、性別、居住地、購入頻度など)ごとにグループ分け(セグメンテーション)し、そのセグメントごとに分析をします。

分析内容はどの顧客をターゲットにすべきかどうかです。

例えば割引クーポンを発行する場合はコストがかかるので、全ての顧客に発行すると場合によっては効率が悪くなってしまいます。この場合クーポンがあるときしか購入しない顧客をターゲットにするのが効果的です。このターゲットを特定するためには購入行動や閲覧履歴から行動特性(商品ページに何度も訪問してクーポンが発行されたらすぐに購入するなど)を推定する必要があります。

顧客にアプローチ

ターゲット顧客が決まったらアプローチの方法を考えます。メルマガ、LINEの配信、クーポン、スマホのプッシュ通知などの方法から適切なものを選びます。

結果の分析と改善

アプローチを行ったあとは必ず結果を分析する必要があります。ターゲット顧客もアプローチ方法もあくまでただの仮説なので、効果が出るかはやってみないとわかりません。毎回効果を検証し、改善を繰り返すことでようやくリピーターの増加につながります。

ECサイトにおけるCRMの事例

ご紹介させていただくのは集英社の公式ファッションECサイト「HAPPY PLUS STORE」の事例です。

同社ではそれまでターゲットを絞らず、顧客全員に対して同様のクーポン施策を実施していました。売り上げは伸びてはいるものの、クーポンを配信しなくても購入してもらえる顧客に対しても、クーポンを配布することになっていました。そこでターゲットを絞ったクーポン施策を実施することになりました。

まずは同一顧客が2回目に購入するタイミングを調査しました。その結果、初回購入から1ヶ月後が再購入に至った回数が多いことが分かりました。

次に調査したのが2回目はどんな製品が買われているかということです。その結果、初回購入と同類の製品が購入されやすいことが分かりました。これらの調査結果をもとに「購入から1ヶ月前後の顧客に対して、初回購入品と同類の製品のクーポンを配信してリピートに繋げる」というマーケティング戦略を設定し、実行しました。

このような施策の結果、クーポンの配布先は絞りつつもリピート率を6ヶ月で112%伸ばすことに成功しました。

CRM構築の際の注意点

導入して終わりではない

CRMは導入しただけで売上が上がる魔法の杖ではありません。CRMは使用者が何もしなければただのデータがたくさん入った箱です。

集めたデータから得られるアイデアはあくまで仮説なので、効果が出るまで改善を繰り返す必要があります。

費用対効果を考慮する

元々のECサイトの規模が小さければ利益に繋がらない可能性があります。

CRMには顧客に効果的なアプローチができることによる売上アップの効果と、自動化による人件費の削減の効果があります。それに対し、イニシャルコストとしてシステム構築費用とそのための人件費、ランニングコストとして月額の利用料と運用のための人件費がかかります。(※SaaS型のCRMの場合)

事業の内容次第にはなりますが、ECサイトの規模が小さすぎる場合は注意が必要です。

商品数や顧客数が少なくて、自動化による恩恵をあまり受けられなかったり、データが少なすぎて、売り上げアップの効果が小さくなり結果的に利益に繋がらない恐れがあります。

まとめ

以上、ECサイトにおけるCRMのメリットや使い方の概要から効果的な活用方法までご紹介しました。

ECサイトにおけるCRMはリピーターを獲得するのに効果的ですが、導入するだけでは効果を実感することは難しいです。CRMに蓄積されたデータをもとに施策を考え検証を重ねることが大切であることをご理解いただけたかと思います。

皆様ECサイトにもCRMをご活用いただき、その効果を実感してみていただけたらと思います。

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